病院値と自己測定値の誤差の実験
江部先生のところで、血糖値測定器の誤差について話題に上がっていたので、私もOGTTの際に看護婦さんに協力していただいて、測定してみました。
私自身の実験結果
測定機種 | : | アセンシアブリオ |
チップロット | : | CS735K |
有効期限 | : | 2009/04 |
経過時間; | アセンシア測定値; | 病院測定値; | 差 (病院値=0) |
0 min; | 92; | 98; | −6 |
30 min; | 222; | 184; | +38 |
60 min; | 193; | 147; | +48 |
90 min; | 155; | (病院での採血はなく、ここだけ指先から) |
120 min; | 117; | 92; | +25 |
(数値はすべてmg/dl)
やはり同じように高血糖域では40−50 mg/dl高く出ている模様。
高雄病院での結果
高雄病院の入院患者さんが採血されたとき、SMBGを持っておられたら、比較することがあります。
誤差は10〜20mgていどまでのことも多いですが、やはり食後の血糖値では、40〜60mgの差があることがあります。
高雄病院の経験による私見ですが、早朝空腹時血糖値は、メーカーのいうとおり誤差は10mgていどですむ可能性が高いですが、食後血糖値は、10〜60mgの誤差が現実に生じるケースがあるということになります。
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とありますので、この現象は普遍的なものだと思われます。
誤差の精度と正確度
この誤差についてですが、誤差には精度と正確度があります。
乱暴に言うと、精度とは、ばらつきの大きさ。正確度とは、真実の値への近さです。
この場合、精度は低く、正確度は高い。
この場合、精度は高く、正確度は低い。
何が言いたいかというと、簡易測定器でも、続けて二度、三度と測定した場合、その値が40-50 mg/dlもずれることはありません。よって、病院の値が真実の値だとすると、簡易測定器の値は、精度は高いが、正確度は低い、ということになります。
誤差の換算表
そこで、江部先生のところのデータと、私のデータを合わせて、グラフを書いてみました。
大体の換算表を書くとするならば、
簡易測定値; 病院値
160 ; 123
170 ; 128
180 ; 135
190 ; 142
200 ; 153
210 ; 163
220 ; 180
(単位 mg/dl)
となるでしょうか……?
データ数が少ないため、あえて150以下は省きましたが、少し違う世界が見えそうです。
2008/10/23追記
誤解を招くかもしれないと思い、追記させていただきます。
実際の大規模研究例には簡易測定器を測定に用いている例も多いことから、
病院値が簡易測定器より低いからといって、安心できるわけではないことを
申し添えておきます。
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